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晩柑類、出荷が最盛期です

3月に入りネーブル、湘南ゴールド、不知火、はっさくなどの晩柑類が次々と出荷されていきます。(ポンカン、伊予柑の出荷は終了)今週末からはゴールデン(黄金柑)、そして3月末からは甘夏そして清見の出荷も始まります。ところで晩柑類とはいったいなんなのでしょうか?これは1月から5月頃までに出回る温州みかん以外の柑橘類の総称なのだそうです。

 そして農林水産省の平成27年産特産果樹生産動態等調査*1によると、全国で収穫されている柑橘の品種はなんと80種類以上。交配や品種改良がおこなわれ、様々な特徴をもった柑橘が誕生しています。先週ご紹介した湘南ゴールドは黄金柑(ゴールデン)と温州ミカンの掛け合わせ、では他の柑橘はどうなんだろ~と調べてみました。そこで、交配品種の基本講座!!

 

まずおさえておきたいのは「清見」、これは日本で初めてのタンゴール品種(「ミカン」と「オレンジ」の交雑種のこと)。そして新品種の多くはこの「清見」から生まれています。*2

「不知火」(しらぬい)の親は「ポンカン」と「清見」。ポンカンはインド北部が原産地のみかん、日本へは明治時代に入ってきました。

  清見(きよみ)


 頭の出っ張り(デコ)が特徴の「不知火」。見た目はゴツゴツしていますが、果皮は手で剥け、果実はギュッと詰まった食べやすい柑橘です。写真をみるとあれ?これって「デコポン」と思う人もいるかもしれません。実は「デコポン」と「不知火」は同じ品種なのですが、「デコポン」は熊本県果実連の登録商標なので、この商品名を使えるみかんは限られています。

 

その他にも「清見」を親に持つみかんは「はるみ」、「せとか」、「はれひめ」など、次々と清見ファミリー*3が作られてきました。

ふだん何気なく食べているみかんですが、その成り立ちを知ると“この酸っぱさはお父さんみかんゆずりかな~」とか”この香りはお母さんみかんだな~“とか、みかんの味わい方もちょっと違ってきそうです。

生産者:西山義之さん(米神支部)


 [*1]参考:農林水産省・特産果樹生産動態等調査

          https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500503&tstat   

          =000001020907&cycle =7&year=20150&month=0&tclass1=000001032892&tclass2=000001112555

[*2]参考:農研機構・育成品種紹介 

               http://www.naro.affrc.go.jp/archive/fruit/kih/hinshu/citrus_cat/index.html

 [*3]参考:農研機構・カンキツ品種「清見」とそのファミリー

               http://www.naro.affrc.go.jp/archive/fruit/itiosi/2015/057317.html