生産者

農地を守ることは故郷を守るに繋がる
生産者 · 2025/09/17
3月の中旬、久しぶりのまとまった雨が降りました。 この日は気温が21度、長袖では汗ばむような春の陽気、小田原市下中地域では穏やかで静かな時間が過ぎます。遠くの山を眺めていると、ところどころツタが蔓延り、長く耕作がなされていないであろうみかん畑が広がっていました。 近年、下中地域でも耕作していない田畑が増えているという話を聞きます。 ベテラン生産者曰はく、昔は玉ねぎや果樹を栽培しつつ、自家用の米を栽培していた農家も多かったそうですが、米栽培には高額な機械が必要であるため、資金のない若手には手が出せず、高齢化もすすみ、借り手がいないのだそうです。 また、傾斜のきつい畑ほど手放される傾向にあり、栽培できる品目も柑橘系に偏り、かつ数年放置された畑は開墾の負担から、新規就農者からは敬遠されがちです。 一方、開墾からはじめる農業に対してもポジティブにとらえている期待の若手、押田公成(おしだきみなり)さん。ベテラン生産者の江川さんのところで研修をしており、もう少しで独立となります。
最後に笑って終われることが大事!元気の秘密
生産者 · 2025/03/14
2025年1月、毎日天気予報では日本海側の激しい雨風、一方太平洋側では雨がほとんど降らずに、暖かい陽気が続いています。暖かければ作物の成長が早いと思いきや、発芽時期の夏の日差しは異常に厳しく成長を妨げ、定植後は雨が降らず、今年は野菜全体での成長の遅れがみられます。 今年は昨年からの猛暑、虫の被害によって全国的にみかんの不作傾向にあり、小田原の生産者のみかんも、個人への販売を泣く泣く取りやめにせざるを得ない状況となりました。 そんな中、今年も婦人部のみかんジャムづくりが行われ、今年も無事に販売開始となりました。ジョイマダムのみかんジャムは規格外のみかんを使い、皮まで手作業で刻んで使うことによって、香りを豊かに仕上げています。 「やっぱりあのジャムはそのまま舐めてもおいしいのがいいのよ!」 と言うのは婦人部長の石井文子さん。 お話を聞いたこの日は翌日の寒餅つきに向けて、自宅裏の水道でもち米を洗っているところでした。

受け継ぐミカン栽培への思い
生産者 · 2024/10/15
近年では、夏が近づくと「異常な暑さ」「前年以上」「今年は暑い」とメディアで伝えられ、いよいよこの35度を超える日々が今の日本の夏であることを認めざるを得なくなってきています。 熱中症予防の観点から不要不急の外出を控えるように呼び掛けられていますが、外での仕事、特に第一次産業に従事している方は今日もまた、過酷な現場に出ていくのです。 ただでさえ第一次産業は後継者がいないと騒がれている中、農業という生業は、今後どのようになっていくのでしょうか。 8月下旬 曽我の山でミカンの摘果作業をしていたのは長谷川壮也(たけや)さん。 畑に入っていくと、枯れたミカンの木が伐採され、山積みになっていました。
農業、そして人と関わり今思う事
生産者 · 2024/04/06
今年は暖冬の影響により梅の開花も早く2月の梅まつりの初日には十郎梅が八分咲きの状態でした。一斉に花が咲き、受粉は順調と思ったのも束の間で、2月~3月の天気予報は週末になる度に雪マークが並びます。 平野部では雪が積もるほどではなかったものの、思い出されるのは数年前の凍霜害。実が目視できるようになった頃に気温が急激に下がり、霜がおりたために実が傷んでしまい、大不作となってしまいました。 寒暖差激しい今年の冬、そしてこの先の梅雨は長く、猛暑が早くも予想されており、より作物には厳しい、生産者も予想がしにくい気象となっています。

ベテラン生産者紹介その③
生産者 · 2023/12/22
金色に輝く10月上旬の上曽我の田園風景。今年は大きな台風もなく、稲が倒伏をしているところもほとんどありませんでした。上曽我の田んぼは曽我山から流れてくる水と、酒匂川から流れてくる水とが入り込んでくるため、みかん、梅、キウイだけではなく田んぼを耕作している生産者も多くいます。 コンバインで粉砕された新鮮な藁の香りとくん炭を作っている(※籾殻を燃やしている)香りが秋の訪れを感じさせる頃、上曽我のベテラン生産者小酒部昇さんのご自宅を訪ねると、笑顔が素敵な奥様と人懐こい猫が迎えてくれて、昇さんは縁側で座って待っていてくれました。
梅干しの仕上がり順調!
生産者 · 2023/09/16
7月の小田原は雨が降らず、気温と湿度がともに高い日々が続きました。 旬のブルーベリーは実がしおれ、梅の木は葉がしおれ、キウイフルーツの木は枯れ…潅水しようと思っても、畑1箇所につき何往復もの労力が必要なのです。 現在実っているキウイフルーツや温州みかんなどの柑橘類の実も、今後どのような影響が出てくるか大変心配なところです。 晴れが続くその時期、天気と関係の深い小田原ならではの農作業があります。それが「梅の土用干し」です。7月下旬の梅雨明けとともに6月から漬け込んでいた梅をザルの上に広げて2日半~3日間干し、梅干しの仕上げを行ないます。

仲間と深めた「知識」が信頼の証
生産者 · 2023/07/05
今年は3月頃から気温が高い日が続き、農産物の収穫が早まっています。 新緑がいよいよ夏を予感させる頃、田植えの準備のため、桜井地域の生産者達がトラクターに乗り、たんぼを耕していました。 桜井地域とは小田原市の北西部に位置しており、酒匂川・仙了川・要定川が流れ、豊富な水で育てられる米のほかに梨の栽培も盛んです。また、桜井地域は「二宮金次郎(尊徳)」の生家があることでも有名です。
春を告げる嬉しい菜花の収穫!
生産者 · 2023/03/10
小田原では梅の蕾が膨らみはじめると、菜花の収穫が最盛期となります。 日本での菜花の産地といえば千葉県や徳島県が有名ですが、ここ小田原も菜花の生産が盛んです。菜花は地中海沿岸や中央アジア、北ヨーロッパが原産で、日本には奈良時代に中国から伝わり、食用として広まったと言われています。 最近では食卓を華やかにしてくれる「エディブルフラワー」がブームとなって人気を集めていますが、菜花などをはじめとするアブラナ科の花や蕾というのはやわらかく、食用花として古くから日本人に認知され、愛されています。

キウイ農家への道 -はじめてのキウイ収穫-
生産者 · 2022/12/09
連日暖かい日が続く小田原、今年はキウイフルーツもみかんも異変が起こっています。 キウイフルーツは収穫時期を待たずに落ち始めており、みかんは寒暖差がない為、色づきが遅くなっています。 11月中旬、久野地域の遠藤国雄さんのところでは、今年4月から研修をしている河口奈央さんがキウイの選果作業をしていました。 キウイの選果は、大きさ別にコンテナに分けるのと同時に、さらに製品にならないもの、扁平のもの、やわらかいものに分けます。
交流の歴史-作る人と食べる人を繋ぐ婦人部の思い-
生産者 · 2022/11/14
9月下旬。コロナウイルスが急増し、心配された8月からは徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。行動制限も緩和され、市内でもさまざまなイベントが久しぶりの再開となりました。 最近ではジョイファーム小田原の交流企画も感染リスクを考慮して若手生産者が中心となって交流に参加してくれていますが、就農をしたばかりの若手生産者はキウイフルーツをメインとして農業を営んでいる事が多く、なかなかみかん農家になりたい!なった!という人が出てこないのが現状で、柑謝祭などのみかんの交流企画ではベテラン生産者に声をかけることもあります。

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