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若手生産者紹介【その③】

 

渡邉淳 (わたなべ じゅん) 


 収益を上げるための先行投資、そしてキウイにこめる想い!!

 

えっ!キウイってこんなに美味しかったっけ?」酸っぱい、固いというイメージがくつがえり、本当に美味しいと感動しました。その時の驚きは、今でもキウイを作る原動力です

 

もともと就農したのは、農業を事業として立ち上げ、自分のやりたいことを実行するためなんです。やりたいことはいろいろあるんですけど、農業だけじゃない色々なことに挑戦したいですね。自分の生活を豊かにするためには、好きな音楽を聴いたり、旅行をしてリセットできる時間も大切にしたいです。

実は30歳のとき、それまでやっていたCD屋の仕入れの仕事(バイヤー)を辞めたんです。CD業界は今後の成長が期待できないと見切りをつけて、“食いっぱぐれのない仕事”は何だろう?と考えたとき、“農業だ!”と思いました。縁がありジョイファーム小田原と長谷川農園で5年間パートとして働きました。

 

そして35歳のときに「このままではまずい!」と、就農を決断しました。5年間のパートとして働いた経験で、「いける!」という感触はありました。CD屋のバイヤーだったときに、トレンドを読み、先のことを考えてCDを購入していたという経験も、大いに役立っていると思います。 

 

就農するなら「畑ありき」ですから、まずは畑探しから始めました。最初に見つけたキウイ畑は耕作放棄地だったところで、持ち主に自分の想いを話すと、意外と簡単に「いいよ~」と借りることができました。

 

出だしから本当にラッキーだったと思います。今では6か所(全部で70アール)の畑までに増えたんですが、地主さんと良い関係を構築していくことがとても大切だと感じています。

 

2016年に最初の畑を見つけてから、今が4年目。そしてもうすぐ5年目に入ります。事業としてやっていくために選んだ名前は、「ファームハウスみどり」。長年大ファンであるアメリカのロックバンド「PHISH」のアルバム名「ファームハウス」からつけました。ホームページも立ち上げ、最近では自分の日々の作業を知ってもらうために、動画のアップも始めました。https://youtu.be/vPsbAwVrRqE

ファームハウスみどり 動画


2019年には事務所として使う家、そしてキウイを貯蔵する冷蔵庫を購入し、新規就農当初はゼロだった借金が大きく膨れ上がりました。でもこの先、利益を上げるためには設備投資が不可欠だと思うから、これは必要経費ですね。

 

これからもキウイをメインにやっていく予定です。キウイは一から始めると木が育つまでに時間がかかるけど、自分はすでにキウイの木が植えてある畑を選んで借りているので、一番収益率が良いと思います。美味しいキウイの栽培には受粉が命だと思うので、効率よくスピーディーに作業ができるように、すぐにちょっと高価な器具を購入しました。これも自分のこだわりだし、必要な先行投資だと思っています。

 

農業は自営だから24時間仕事のことを考えがちだし、日々心配事の連続で、疲労が極限に達することもしばしばあります。体力的にも決して楽ではないですから、精神力の強さが求められます。やる事はいっぱいあるので、面倒くさがらずに11つやっていくこと、そして必ず良い方向にもっていくという気構えが新規就農には必要だと思います。

日々前進する渡邉さん、就農した2016年からの様子がファームハウスみどりのブログに

アップされています。[https://farmhousemidori.com] 

 

2020年、渡邉さんの挑戦は続き、最近ネットショップをオープンしました。

“ひたむきなフルーツ農家”、美味しい果物を作るべく奮闘する彼の応援を、

今後ともよろしくお願いします。