· 

若手生産者紹介【その⑧】

  

大山 裕貴(おおやま ひろき)

 


 

植物、自然、農業、自分が自分らしくいられるところ

 

自分が今、農業をしているのは、「植物が好きって!」っていうのが原点なんです。昔から植物に興味があって、いろいろ調べているうちにどんどん好きになっていったんです。だから大学では植物の生態を学びました、植物が見えないところで生きるために、いろいろな工夫しているのが、本当に面白いと思いました。

 

大学を卒業した後は林業関係の仕事に就いたのですが、残念ながら人間関係に苦労して退社しました。その後、アルバイトを探しているときに長谷川農園の求人募集に目がとまり「農業もいいかな」と思ったのが就農にいきついたきっかけですね。

長谷川農園で5年ほど働いたころに、自分が住んでいる秦野市で農業研修制度があることを知りました。研修期間は2年間なのですが、毎日ではなく週に23日程度、生産者のところで研修をします。その他に講習などがあり、研修終了後は独立して就農することが前提でした。ですから長谷川農園でのアルバイトを続けながら研修を終え、昨年から独立して就農しています。

 

今は野菜の畑が2つ、キウイの畑が1つ、梅の畑を1つ借りています。キウイと梅に関しては、長谷川農園で働いていたときに見聞きしたことや、その時に得た知識を参考にしています。

 

野菜はブロッコリーなどを栽培し、直売所などにもっていくのですが、なかなか思うような収入にならないんです。自分で値段をつけたりするのは初めてなので、高いと売れないし、安いと収入にならないし…難しいですね。生産者は農作物を栽培するだけではなく、売るところも考えなくてはいけないので、「農業っていろいろ大変なんだな~!」と実感しています。


今は自分で何でも考えてやれるし、いろいろ工夫するのは楽しいですが、なかなかうまくいかないことも多いです。例えば曽我で借りている梅畑、2年以上耕作放棄地だったところを借りて、今年で3年目になりますが、なかなか実がならないんです。樹齢はだいたい30年くらい、ほぼ十郎梅で立地条件なども悪くないし、良い畑に見えるのに実がつかない。なぜ実がならないのかがいまだに解明できず、頭を抱えています。今年は受粉を手作業でやってみようと思っています。

就農して何かと気苦労はありますが、人間関係に煩わされず、自然を相手にする農業が自分には合っているようです。ただ畑は借りているので借地代金を払っているし、その他の経費も増えていく一方なので、今後はいかに収入を増やしていくかが課題ですね。

 

モチベーションを維持するためにも、効率を考えて収益を上げていきたいです。時間をつかった割に収入にならないと、モチベーションがぐっと下がってしまいますからね。実は独立して就農した後も、長谷川農園でアルバイトは続けているんです。まずは農業収入がアルバイトの収入を上回る事!これが当面の目標です。