1月のジョイファームはみかん・キウイ・晩柑を続々と運び込む生産者の姿でにぎやかです。
オレンジから黄色の果皮が並ぶ姿は春を感じさせます。
昨年、今年と雨が降らずに冬らしからぬ暖かい日が続いており、いつもは2月の上旬に見頃を迎える梅が今年は1月の末には満開。いくらみかん小屋が涼しいとはいえ、この乾燥と高温ではみかんのしおれが心配されます。ミカンナガタマムシの発生で生産が心配されているみかんですが、樹勢の弱い木であると虫がつきやすいとのことで、老木は改植をすすめています。木を植えてから実が十分に収穫できるまでには時間がかかりますが、日本が昔から愛してきた果実、「みかん」の栽培をどうか応援していただけると嬉しいです。
さて、暖かくなってきたということは、いよいよ「オニオン祭」の開催の季節も近付いてきました。
玉ねぎは5月~6月に収穫の為、現在の玉ねぎはまだまだ玉も葉も小さく、畑を見ても植えた時からあまり大きな変化は見られず、心配になってしまいますが、葉を触ると固い感触があり、根が土に活着して懸命に水を吸っているのが分かります。
オニオン祭といえば青空の下皆で食べる甘みが詰まった玉ねぎをたっぷりと使ったカレー、毎年「婦人部」の皆さんが作ってくれています。2025年から婦人部長を引き受けてくださった下中地区の小澤倫子さんと秋澤直子さん。昨年ははじめてのオニオン祭を迎える予定でしたが、残念ながら雨のため中止となってしまいましたので、今年はどうか開催できますように!と思いながら、お二人にお話を伺いました。

◆お二人のことを教えて下さい!
(小澤)小澤倫子です、もともとは農業の経験がなく、嫁いでから農業をはじめました。うちではぶどう、梨、みかん、玉ねぎを栽培しています。ちょうど今はみかんの出荷が終わって、剪定や、その枝を粉砕してチップにしているところです。
(秋澤)秋澤直子です、私も農業の経験がなく、農協に勤めていた頃に主人と出会い、嫁いでから農業をはじめました。うちではキウイ、玉ねぎとジョイファーム小田原には出していませんが、ハウスみかんを栽培しています。
◆実際に農業に携わってみてどうでしょうか
(小澤)農家に嫁いだものの、はじめは農家の“の”の字も全く分からなかったんです。皆について行っているだけの状態に近いですね(笑)
(秋澤)私も作業といえば、草むしりや収穫、袋詰め、収穫や出荷ぐらいで、剪定や農薬散布についてはあまりわからないです。
◆お二人の住んでいる下中地域はどのようなところですか
(秋澤・小澤)下中地域では果樹栽培が盛んで、農家の庭先で直売をしているところも多いんですよ。また、玉ねぎ作りが盛んで毎年JAで大規模な玉ねぎのオーナー制度を行っており、玉ねぎ生産者同士が集まる機会がありましたが、最近では畑に病気が発生し、オーナー制度をお休みせざるを得なくなってしまいました。普段はお互い農作業で忙しいのでプライベートで時間をとって会うことはないけれど、オーナー制度の集まりではお互い顔をあわせますよ!下中地域と言ったら生産者の江川到さんがまとめてくれているところがあって、ジョイファームを紹介してくれました。キウイの剪定や追熟の技術は素晴らしいので、皆何かあると江川さんに聞きに行っています。
◆新しく栽培してみたい作物はありますか
(小澤・秋澤)う~ん、現状ではないですね。年間を通して農作業があるので、現状維持、というか今でせいいっぱいなのです。でもレモンは需要もあるし、糖度を気にしなくて良いのでいいなとは思っています。
◆お二人の息子さんは農業を継がれていると聞きました
(秋澤)普段は息子と作業をしていているのですが、もう手一杯で、もともとハウスみかんは2棟分栽培をしていたのですが、燃料費がかかり1棟だけの栽培に縮小しました。請求書を見て毎回びっくりしていますよ…(笑)
空いたもう1棟では湘南ゴールドの栽培をはじめる予定です。ハウスのビニールは毎年張り替えなければならないのでコストがかかりますね。ハウスみかんは管理がとても大変で…中が熱いと木も実も枯れてしまうので窓の開け閉めで温度管理をするのです。夏は特に熱が篭るので窓が開いているのですが、雨が実に当たると傷がつくのでお天気を常に気にしています。現代はスマートフォンのお天気アプリを見れば、いつ頃雨が降ってくるかわかりますから、良い時代になりました。(たまに外れますけれど…笑)
それと、ハウスみかんは収穫してからすぐ出荷の準備にとりかからないといけないので、収穫した日は夜中の2~3時まで箱詰めをしているので、かなり時間にしばられます。玉ねぎの苗作りも息子がやっていますが、昨年は雨が降らず、うまく成長をしなかったようです。周辺農家でも苗が育たなかったところが多かったようなので、今年は栽培を増やしました。
(小澤)うちは息子がアボカド栽培に着手しました。
(2021年はまだ息子さんが栽培したいものが決まっていませんでしたが、ついに着手されたとのこと!)(ブログ:三世代力をあわせて取り組む農業 参照) 日本でのアボカドの栽培は意外かもしれませんが、栽培している生産者はこのあたりにもいるんですよ。でも実際に見に行くと木が大きくて、本格的に栽培となるとかなり大変かもしれません。
今は梨を栽培していますが、市内の梨農家もだんだんと減ってきていますね。
近年では雨が降らずに実がしっかりと大きくならず不作であったこと、それと、高齢になった際に剪定がしにくい(枝が硬いので力がいる)ことが不安です。
(小澤・秋澤)息子の世代はわからないことがあったらさっとインターネットで調べて解決するので、すごい時代になったと思います。息子より上の世代は何かあると教本を頼りにしていた世代なので昔のやり方でしか解決できません。それと、今の時代はインスタグラムで他の産地や農園とつながることで情報を見ることができるようで、流行している病気や各産地の生産状況も把握しやすくなっているようです。
◆下中地域の農業は今後どのようになっていくと思いますか
下中地域は他の地域に比べ、比較的息子さんが継いだりしているように思えますが、実際はどうでしょうか。
(小澤・秋澤)あちこち畑は荒れてきていますね。特にたんぼは担い手がおらず、荒れていく一方です。若手がお米栽培を始めた話は聞いたことがないですね…。幸い下中地域は玉ねぎ栽培ができるので、たんぼを活用することもできますが、玉ねぎは重いし、生産量にも限界があります。
最近、別のお仕事をされていた若い方が就農をしましたが、「教えてくれる人」がいる、ということは重要ですね。最近ではなんの作物も暑さと水不足で不作傾向にありますが、今年はみかんの価格を上げてもらえて助かりました。生産者も消費者として店頭やカタログを見て高いと思うこともありますが、消費者が手に取るまでの間にたくさんの人が関わり、目に見えない経費も高騰しているのではないかと思います。
◆婦人部の活動はいつごろから参加されていますか?
(小澤・秋澤)ジョイファーム小田原の婦人部の活動は前からよくお誘いいただいていたのですが子供が小さいうちは手が回らなくて、大きくなってから活動に参加できるようになりました。なので、本当に10数年くらい前から、主に「オニオン祭」のカレー作りをしています。
婦人部の特製カレーは皆さんからおいしいと好評をいただいていますね!この地域の玉ねぎはおいしいと思うので、普段使いとしては細かくスライスしてソースに使ったりしておいしくいただいています。
昨年は石井文子さん(ブログ:最後に笑って終われることが大事-元気の秘密 参照)と一緒に相模原でジャム作りをしてきて、はじめて小田原の外に出ての活動でした。内部(小田原市内)では1~2回あったとは思います。参加していた方にお話を聞いたところ、なんとたまたま小田原に住んでいらっしゃって、下曽我で畑をしていらっしゃった方でした!
不思議なご縁ですが、こういった企画に参加してくださる方は、食と農に強い興味がある方が多くて、真剣にお話を聞いてくれています。そういう方がオニオン祭に参加してくれることはとても嬉しいことですね。数年前に果樹の学校で畑に作業に来てくれたご家族もいました。受け入れの対応は主に主人が行いましたが、お子さんは小さいとやっぱり虫に興味が行ってしまいますね…(笑)
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◆無理をしない
2026年1月下旬、小澤倫子さんのご自宅に伺いました。
この日は旦那さんのお父さん、お母さん、息子さん、息子さんの奥さんがぶどうの剪定を行っていました。畑の草はモアで綺麗に刈られ、剪定した枝も1か所に並べて集められており、とても丁寧に一つ一つの作業をすすめているのが伝わってきます。ご自宅裏のぶどう畑を抜けると玉ねぎ畑が見えてきました。
「昔はもう少し玉ねぎを栽培していたのですが、現在は15アールほど玉ねぎをやっています。ちょうどぶどうやなしの作業と重なってしまうので縮小しました」と話す倫子さん。しっかり根付いており、5月の収穫が楽しみです。
旦那さんの雅典さんが梨の木の剪定をしているところにお邪魔しました。倫子さんがあまり私はわからないと話していた農作業については雅典さん曰はく「剪定した枝を拾ってくれているよ。拾うのも労力がいるからね。あとぶどうの摘粒ができるよ。僕から見たら良くできてると思うよ!」とのこと。
最後に婦人部長として倫子さんに一言いただきました。
「今どきの生産者の奥さんは別にお仕事を持っていたり、子育ての真っ最中の傍ら、お休みの日もご主人が忙しいときはサポートしたりと、忙しいと思います。1月に毎年行われる婦人部のみかんジャム作り、オニオン祭も、栽培している作物によっては出荷に追われている時期であったりと、参加が難しい方もいると思います。無理をせずに活動に参加していただけたらと思います。私も困った時はすぐに石井さんを頼って相談をさせてもらっていますので、お願いできることがあれば誰かにお願いすることは大切だと思っています。」

◆みんなで力をあわせて
小澤さんにお話を伺った1週間後、今度は秋澤直子さんのご自宅に伺いました。
素敵な日本家屋と、庭には育苗用の苗パレットにちょこんと乗った三毛猫。訪問者1人1人にご丁寧にあいさつをしてくれました。
現在は息子さんと2人で玉ねぎの定植の真っ最中、直子さんにお話を伺った畑の向かいでは息子さんが玉ねぎ栽培の準備のために畑の耕耘とマルチ張りををしていました。
旦那さんが倒れたのは息子さんが就農を決意した直後、農作業については何も教わっていないようなものだったけれど、ベテランの先輩に助けてもらいながら、今では農作業を1人でもできるようになっていると話す直子さんにお母さんのやさしさを感じました。
今年は5~6年ぶりに手つかずであった田んぼの草を刈り、玉ねぎ畑として復活。
1月いっぱいは苗があるだけ玉ねぎを植えられるとのこと、「うちはそんなにこの時期は忙しくない方で…」とおっしゃるものの、これから親子で二人三脚、短期間で何万本もの玉ねぎを植える予定です。
つい先日は婦人部のみかんジャム作りが終わり、いよいよこれからオニオン祭の打合せもせまってきます。
最後に婦人部長として直子さんに一言いただきました。
「昔は皮むきから瓶詰めまで全ての工程を婦人部でやっていましたけれど、今は出席できる人も限られていますからジョイファーム小田原の事務局と協力しながら製造しています。でもこういう機会が少しでもないとお互い顔をあわせることができないのです。オニオン祭も年に1度ですが、あれどうするんだっけ!?と思ってもみんなで力をあわせて解決していけるので、今年も頑張りましょう。」







